【創業融資コラム】役員報酬の決め方

会社設立や創業融資を申し込む目的でご来所されたお客様からよく挙がる質問の一つに「役員報酬の決め方」というものがあります。

「念願の社長になれたのだから、役員報酬はガッツリもらいたい!」

と浮足立つ気持ちは良く理解できますが、役員報酬は利益に直結する要となる部分です。

設定額が大きすぎると会社は赤字になりますし、少なすぎると利益が出すぎて納税の義務が発生します。

ではどのようにすれば、理想的な役員報酬になるのでしょうか。

しっかりした業績予測を立てる

業績予想を立てて、決算までに利益はいくら利益が出るか考えます。

そして予想した利益からいくら役員報酬に回せるのか、その金額を考えましょう。

例えば年商1000万円で必要経費が500万円だったとすると、営業利益は500万円。

役員報酬はこの500万円から捻出することになります。

利益を出したくないなら500万円を決算までの役員報酬と設定すれば良いですし、会社に残したいのであれば500万のうち残したい金額を差し引いた額を決算までの役員報酬と設定すれば良いことになります。

役員報酬を設定する時期

設立から3ヶ月以内に役員報酬を決める必要があります。

そして一度決めた役員報酬は原則として期末まで同額を支給し続けなければいけませんし、一度決めた役員報酬を変更したい場合は期首から3ヶ月以内に変更しなければいけません。

設立後半年ほど経過した後、思った以上に売上が伸びず役員報酬を下げたい!

または思った以上に売上が増えたので役員報酬を上げたい!

と思っても途中変更した場合は全額経費にならないという事態になりますので、役員報酬は慎重に決めて頂きたいと思います。

社会保険料加入に注意

会社役員1人のみの会社であっても、社会保険に加入しなければいけません。

上記に挙げたケースで考えてみましょう。

営業利益が500万円と予測できたので1期目の役員報酬を450万円とし、利益を約50万円残す予定だったとします。

しかし社会保険に加入した場合、役員報酬の約30%を会社のお金から支払う必要が出てきます。

450万円であれば約135万円が、会社で支払うべき社会保険料です。

報酬から天引きされる額は約15%

会社から引き落とされる額は約30%

1期目の営業月数が12ヶ月あった場合毎月11万円以上の現金がでていくという事態になり、このお金を想定していない場合資金繰りが厳しくなる事態に陥るので注意してください。

そして必要経費も社会保険料分が増えますので、役員報酬450万円と135万円の半分67.5万円が経費に加算され必要経費は567.5万円、これに対する営業利益は-17.5万円となります。

社会保険料の負担は無視出来ない業績悪化の原因の一つとなり得ますので、それも踏まえて慎重に考えて欲しいと思います。

役員報酬はゼロでないほうがいい?

実のところ会社設立1期目から利益を出すのはなかなか難しいです。

「役員報酬はゼロじゃだめなんでしょ?」と時々質問されることがありますが、ゼロでも特に問題はありません。

「初期投資にかなりお金を使っているので今期は間違いなく赤字だから」と覚悟を決めている経営者様もいらっしゃいますので、その場合はその初期投資のうち今期費用化出来る額を精査した上で役員報酬をゼロで設定すれば良いでしょう。

役員報酬で利益コントロールを

利益に直結しかつキャッシュフローの調整役も兼ねている役員報酬ですが、設定の甘さによっては業績に悪影響を及ぼします。

ご自身で役員報酬を決めるのではなく、業績予測を客観的に分析することが出来るプロと一緒に決めることをおススメ致します。

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